2022年02月24日
帝京大学は、株式会社エムエス製作所と弁膜症や先天性心疾患、心筋症に代表される構造的心疾患(SHD)治療専用の放射線防護板を共同開発しました。
近年、SHDに対するカテーテル治療施行件数の飛躍的な増加に伴い、SHD治療に携わる心エコー医や麻酔科医の放射線被ばくのリスクも急増しています。特に、妊娠中の女性医師の被ばく防護は喫緊の課題です。放射線防護板の使用は被ばく低減に直結しますが、従来の放射線防護板では、使用時に半身を乗り出すなど無理な体勢で作業せざるを得ず、心エコー医や麻酔科医の作業性が損なわれてしまいます。SHD治療の現場では、被ばく防護をしつつ作業性を維持できる防護板が求められていました。
この度、本学医学部内科学講座講師 片岡明久を中心に、同附属病院の常勤麻酔科医である国際教育研究所助手(当時) 栁川文香による施術中の作業性の評価、同大学院医療技術学研究科診療放射線学専攻教授 古徳純一と同先端総合研究機構産学連携推進センター助教 高田剛志による放射線シミュレーションといった協力体制のもと、本学産学連携推進センター(センター長 中西穂高教授)と連携してSHD専用の放射線防護板に関する特許出願および株式会社エムエス製作所との共同製品開発を行いました。
開発した放射線防護板「FORUshield(フォルシールド)」は、経食道エコープローブや呼吸器回路、輸液ラインを操作、管理するための開口部を両側に有することを特徴としており、心エコー医や麻酔科医の作業性を維持したまま両者の放射線被ばくを低減することが可能となります。さらに、現場の意見を反映し、開口部の高さは複数パターンへの変更が可能となっており、個々の体格に応じて使いやすい高さを選択できます。
本学の学部、研究科、センターが横断的に連携し、知見を集約することで発明?開発が加速され、ものづくり企業との円滑な医工連携を実現しました。 これからも本学は、社会に貢献する研究活動?産学連携を積極的に推進します。
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