2025年08月30日
2025年8月18日(月)、帝京大学医学部精神神経科学講座客員教授 林直樹とリエゾン診療スタッフなどの研究グループが、自殺事件の報道が自殺未遂の発生に与える影響を明らかにしました。
メディア報道が自殺および自殺未遂の発生におよぼす影響は従来からよく研究されており、センセーショナルな記述や過度の詳細さがリスクを高めることなどが明らかにされています。そしてそれらの所見は、報道ガイドラインの作成に役立てられています。しかし、自殺未遂患者の性別や年齢層が異なる場合の新聞報道の影響の違いについては十分解明されていませんでした。
そこで本研究では、帝京大学医学部附属病院高度救命救急センターで治療を受けた自殺未遂の患者と、わが国の4つの主要な新聞社から東京都区部北部で発行されたすべての自殺事件記事との関連についての研究を行い、新聞報道後1週間の自殺未遂患者数が報道前1週間と比較して約12%増加していること、そして性別ごと?年齢層(34歳以下と35歳以上)ごとの患者数の変化と報道内容、特に自殺手段は、特定の性別や年齢層の患者の増減と関連していることがわかりました。これにより、自殺報道が自殺未遂や自殺の発生におよぼす悪影響の防止に役立つ知見がもたらされることが期待されます。
また、本成果は、8月5日(火)に国際科学誌PLOS Oneにオンライン掲載されました。