2025年12月16日
2025年12月6日(土)、帝京大学八王子キャンパスにおいて、第3回医真菌研究センター冲永賞(TIMM冲永賞)授賞式および記念講演会を実施しました。本賞は2023年に設立した賞で、同センターにおいて研鑽を積み、優れた研究業績を挙げた研究者を顕彰することを目的としています。
今回の受賞者は、済生会宇都宮病院医療技術部部長?臨床検査技術科長 萩原繁広氏であり、2013年から2016年にかけて済生会宇都宮病院耳鼻咽喉科で外耳道真菌症と診断された29例から分離されたAspergillus属30株について、遺伝子同定および抗真菌薬感受性試験を実施しました。その結果、従来の形態的同定法では鑑別できなかった抗真菌薬低感受性傾向を示す隠蔽種が含まれることを見出し、さらに感受性試験から、新たに治療法として有望となる外用抗真菌薬の選択が可能であることを示し、英文誌に発表しました。これらの研究成果を評価し、本学大学院医療技術研究科臨床検査医学専攻は、2019年に学位として、博士(臨床検査医学)を授与しています。学位取得後も萩原氏は、積極的に栃木県における真菌症の臨床検体から起因菌の分離および解析と研究を継続し、医真菌学ならびに臨床検査医学の発展に貢献していることを高く評価し、本年度のTIMM冲永賞受賞となりました。
授賞式では、同センター教授 加納塁による選考理由の説明の後、賞状と記念の盾が授与されました。続いて萩原氏による記念講演が行われ、授賞記念パーティーでは、萩原氏からの謝辞ならびに同センタースタッフによる祝辞が述べられ、和やかな雰囲気の中で祝賀会が執り行われました。
本センターでは、今後も医真菌研究の発展に貢献する若手研究者の育成を継続して支援していきます。