本研究室では、宇宙探査機やロケットの軌道?姿勢に関する力学(アストロダイナミクス)や、それに関連する物理や数学の研究を行っています。これまでJAXA等で実宇宙ミッションに携わった経験を活かし、工学?理学の両面から実ミッションの課題に取り組んでいます。
教育面においては卒業研究等の活動を通して、自主的に計画を立てて行動ができ、物事を深く考えられる人材の育成を心掛けています。また、ESA等での長年の海外研究の経験を活かし、グローバルに活躍できる人材の輩出も目指しています。
教員名?所属 | 中宮賢樹 / 理工学部航空宇宙工学科 |
---|---|
専門分野 | 軌道?姿勢制御、天体力学 |
研究テーマ |
|
研究キーワード | 軌道設計、3体問題、最適化問題、相対論、磁性体、群論 |
研究室URL | https://www3.med.teikyo-u.ac.jp/profile/ja.56972b57470a282b.html |
円制限三体問題における軌道ダイナミクスの解析
円制限三体問題における二天体の重力が釣り合う平衡点(ラグランジュ点)近傍の軌道特性について解析を行っています。ラグランジュ点近傍は太陽?地球に対する相対位置が変わらず、また安定した熱?重力環境を得られるため太陽や宇宙空間を観測するのに適しており、既に多くの宇宙探査機がラグランジュ点近傍で飛翔?観測を行っています(ハッブル宇宙望遠鏡の後継機といわれるジェイムズ?ウェッブ宇宙望遠鏡など)。本研究の検討は、今後増大が予想されるラグランジュ点近傍ミッションに貢献することができます。
宇宙探査のミッション設計における多目的最適化問題
例えば、地球から火星に宇宙探査機を飛行させる場合、火星に行く軌道制御の燃料や火星に到着するまでの飛行期間、探査機の最大消費電力や地上局と通信できる時間など様々な点を考慮してミッションを設計しなければなりません。そこで、それらの複数の項目を目的関数として制約条件の中で最適解を求める多目的軌道最適化問題に定式化し、得られた設計変数の結果(パレート解)から所望の値を選択して宇宙ミッションの設計を行う手法の検討を行っています。