本研究室では、卒業研究や修士論文研究の一環としてさまざまな人工衛星のミッション検討、システム設計、コンポーネントの設計?検証、低コスト地上局の設計?運用、それらに関する要素技術の基礎研究に取り組んでいます。
人工衛星を構成する要素の中でも、特に、電気?電子?電波という3つの「電」が関連する要素は、人工衛星の基本的な機能を司ると同時に、先進的な超小型衛星の機能や性能を追求するためには欠かせないポイントです。また、近年商用利用が盛んになっている10cm角を基本形状とするCubSat(キューブサット)という規格を有する超小型衛星は限られた体積の制約から、高機能?高性能を追求するためには、搭載する電子機器?通信機器の小型化に関しての革新的なアイデアが必要になってきます。さらに、CubeSatよりも小型の手のひらに収まるような人工衛星も打上げ?運用が始まっており、小型化追求のニーズは高まっています。そこで本研究室では、「超小型衛星」よりも更に小さいクラスを「極超小型衛星」と位置づけ、将来の軌道上実証をめざして概念設計?システム検討を進めています。
本研究室に所属すると、マイコンの開発や電子回路?アンテナの設計?試験?評価を通して、卒業後にも役立つ幅広い知識と経験を得ることができます。
本学で開発中のTeikyoSat-4プロジェクトにも参加しており、実践的なプロジェクト経験を通した研究開発も体験することができます。
教員名?所属 | 鶴田佳宏 / 理工学部航空宇宙工学科 |
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専門分野 | 宇宙システム工学、設計工学、信頼性工学 |
研究テーマ |
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研究キーワード | 極超小型衛星、超小型衛星、CubeSat、アンテナ、電力制御、バッテリ、太陽電池 |
研究室URL | https://www3.med.teikyo-u.ac.jp/profile/ja.40c45e1208d08692.html |
極超小型級人工衛星開発プロジェクト
本学で開発中のTeikyoSatシリーズは、50cm級の人工衛星ですが、その機能の一部をより小型のFormfactorで実現するための極超小型衛星ミッション?システムを検討しています。人工衛星は、そのサイズが大きくなると、より多くの機能をもたせることができることの代わりに、打上げのための機会が少なくなることやコストが大きくなることが避けられません。そこで、機能や性能は限定的ですが、打上げのコストが安い、打上げの頻度が多い、CubeSatやさらに小さい極超小型級の人工衛星を活用することによって、50cm級の人工衛星よりも早いサイクルでその要素技術を宇宙実証することができるとともに、そこで生み出された知見が、50cm級の人工衛星にもフィードバックできることがメリットとして考えられます。最終的には手のひらに収まるサイズのシステム設計を実現し、2025年までに軌道上実証することをめざしています。
低コスト地上局システム開発プロジェクト
現在、超小型級の人工衛星の打上数は爆発的に増加しており、将来、人工衛星の数が多くなる時代が来ると、データを取得するための地上局システムの数も必然的に多くなることが求められます。そこで本研究室では衛星との通信のための、S-band, C-band, X-bandに対応した低コストな地上局システムの開発を行っています。
アンテナエレメント、駆動系、信号処理のEnd-to-Endで低コストな地上局システムを実現し、キャンパス内にも複数機を設置して、実際に運用できることをめざしています。
先生方が日々取り組んでいる研究について、どのようなきっかけで取り組むようになったのか、その研究はどのような形で社会に生かされていくのかなど、研究室紹介だけでは紹介しきれない内容や、普段なかなか知ることのできない先生方の研究に対する熱い思いなどをご紹介します。