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生体分子化学研究室 (古賀仁一郎研究室)
生体分子化学研究室 (古賀仁一郎研究室)

古賀仁一郎

当研究室では、便通改善作用を有し、高カカオチョコレートに多量に含まれているカカオプロテイン(カカオ豆由来のタンパク質)や動物のがん抑制作用や肌保湿向上作用、植物の病害抵抗性作用などさまざまな作用を有するスフィンゴ脂質(グルコシルセラミドやセラミドなど)の生体内での役割を研究しています。
講義や実験は、1年生の基礎微生物学、2年生の応用微生物学、食品科学2、3年生の食品科学実験、大学院生の微生物利用学などを担当しています。産業界での応用を中心に説明することによって、学んでいる内容が産業界でどのように活用されるのかということをイメージしやすいような講義を行っています。

基本情報

教員名?所属 古賀仁一郎 / 理工学部バイオサイエンス学科
専門分野 食品科学、応用微生物学、植物病理学
研究テーマ 便通改善作用を有するカカオプロテインや
動物のがん抑制、植物の病害抵抗性誘導作用などを有するスフィンゴ脂質に関する研究
研究キーワード? カカオプロテイン、チョコレート、スフィンゴ脂質、グルコシルセラミド、セラミド
教員紹介URL?? ? https://www3.med.teikyo-u.ac.jp/profile/ja.5c3671ad0f67fa7f.html

研究紹介

「高カカオチョコレート摂取による健康効果」を企業と共同研究

「高カカオチョコレート摂取による健康効果」を企業と共同研究

CACAO72, CACAO86, Cacao70のように表示されており、チョコレートの原料であるカカオ豆の成分が多く含まれているチョコレートを高カカオチョコレートと呼んでいます。当研究室では、株式会社明治との共同研究で、高カカオチョコレートに含まれているカカオプロテイン(カカオ豆に含まれるタンパク質)が腸内環境を整え、お通じをよくすることを世界で初めて発見しました。さらに、高カカオチョコレートを摂取することで、大腸がんの抑制や炎症性腸疾患(IBD)の予防、糖尿病の予防が期待されている酪酸(短鎖脂肪酸)を生産する腸内細菌の増加がヒトの腸内において認められました。この発見はNHK総合「あさイチ」や毎日新聞、朝日新聞をはじめ、数多くのメディアで取り上げられました。その影響で、高カカオチョコレートは大ヒットし、今でもお菓子売り場は高カカオチョコレート商品で賑っています。

詳しくはこちら

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「植物セラミドの生理作用の解明とサステナブル素材としての有効活用」

「植物セラミドの生理作用の解明とサステナブル素材としての有効活用」

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植物セラミドは、グルコシルセラミドとセラミドの2種類からなり、摂取すると肌のうるおい効果や大腸がん予防効果があることが知られています。当研究室では、今まで困難とされていた植物セラミドの液体クロマトグラフィーエレクトロスプレーイオン化タンデム質量分析(LC-ESI-MS/MS)を用いた分析定量方法を新たに確立しました。そして、グルコシルセラミドをセラミドに変換するグルコセレブロシダーゼという酵素が、種子植物に幅広く存在し、植物の乾燥耐性に関与していることを世界で初めて明らかにしました。
株式会社明治との共同研究では、この最新のLC-ESI-MS/MS分析技術を用いることによって、チョコレートの原料であるカカオ豆の中でも、未活用部位であるカカオハスク(種皮)に、他の植物よりもはるかに多量の植物セラミドが含まれていることを発見しました。このことから、このカカオセラミドは、抽出?製造に関する大幅なコストダウンが期待でき、サステナブルな素材として、さまざまな食品や化粧品に利用されることが見込まれます。

論文発表?学会発表

論文発表

題名 雑誌名 研究室 内容
グルコセレブロシダーゼを介した植物の新しい乾燥耐性機構 植物の??調節 (2023) Vol. 58 No. 2 119-126 生体分子化学研究室 詳細

題名 雑誌名 研究室 内容
Ingestion of indigestible cacao proteins promotes defecation and alters the intestinal microbiota in mice. Curr. Dev. Nutr. (2022) 6(10), nzac129 https://doi.org/10.1093/cdn/nzac129 生体分子化学研究室 詳細
A new method for the preparation of a purified glucosylceramide and ceramide from shiitake mushroom. Biosci. Biotechnol. Biochem. (2022) 86(12), 1680-1687 https://doi.org/10.1093/bbb/zbac157 生体分子化学研究室 詳細
Dietary fungal glucosylceramide and ceramide reduce the formation of aberrant crypt foci in 1,2-dimethylhydrazine-treated mice: Differences in the role of glucosylceramide and ceramide. ACS Food Science & Technology (2023) 3(1), 85-91 https://doi.org/10.1021/acsfoodscitech.2c00290 生体分子化学研究室 詳細

題名 雑誌名 研究室 内容
Sphingadienine-1-phosphate levels are regulated by a novel glycoside hydrolase family 1 glucocerebrosidase widely distributed in seed plants. J. Biol. Chem. (2021) 297(5), 101236
https://doi.org/10.1016/j.jbc.2021.101236
?体分?化学研究室 詳細

題名 雑誌名 研究室 内容
Direct LC–ESI–MS/MS analysis of plant glucosylceramide and ceramide species with 8E and 8Z isomers of the long chain base. Biosci. Biotechnol. Biochem., 31 December 2020 生体分子化学研究室 詳細

年度 題名 研究室 内容
1991 Molecular cloning of the gene for indolepyruvate decarboxylase from Enterobacter cloacae. 生体分子化学研究室 詳細
1992 Purification and characterization of indolepyruvate decarboxylase, a novel enzyme for indole-3-acetic acid biosynthesis in Enterobacter cloacae. 生体分子化学研究室 詳細
1994 Structure and function of indolepyruvate decarboxylase, a key enzyme in indole-3-acetic acid biosynthesis. 生体分子化学研究室 詳細
1995 Phytocassanes A, B, C and D, novel diterpene phytoalexins from rice, Oryza sativa L. 生体分子化学研究室 詳細
1998 Cerebrosides A and C, sphingolipid elicitors of hypersensitive cell death and phytoalexin accumulation in rice plants. 生体分子化学研究室 詳細
2006 Cholic acid, a bile acid elicitor of hypersensitive cell death, pathogenesis-related protein synthesis, and phytoalexin accumulation in rice. 生体分子化学研究室 詳細
2008 Purification and characterization of a new family 45 endoglucanase STCE1 from Staphylotrichum coccosporum, and its overproduction in Humicola insolens. 生体分子化学研究室 詳細
2012 Comparison of fructooligosaccharide utilization by Lactobacillus and Bacteroides species. 生体分子化学研究室 詳細

学会発表

演題名 学会名 研究室 内容
植物や真菌におけるグルコシルセラミドの機能~グルコセレブロシダーゼを介した植物の新しい乾燥耐性機構~ 日本農芸化学会および日本栄養?食糧学会北海道支部会の合同シンポジウム(十勝プラザ, 2023. 8. 5) 生体分子化学研究室 詳細

演題名 学会名 研究室 内容
高カカオチョコレート摂取による便通改善効果 ウェルネスフードジャパン主催セミナー 生体分子化学研究室 詳細
高カカオチョコレート摂取による便通改善効果 日本食品機械研究会主催セミナー 生体分子化学研究室 詳細

演題名 学会名 研究室 内容
高カカオチョコレート摂取による便通改善作用 チョコレート?ココア国際栄養シンポジウム 生体分子化学研究室 詳細
高カカオチョコレートの継続摂取による短鎖脂肪酸産生菌の増加について チョコレートの健康効果研究成果発表会 生体分子化学研究室 詳細
高カカオチョコレート摂取による健康効果について 食品産業文化振興会主催セミナー 生体分子化学研究室 詳細

演題名 学会名 研究室 内容
チョコレートの新規機能性 チョコレートの健康効果研究成果発表会 生体分子化学研究室 詳細

研究室の様子

2013年度研究室卒論生の卒業式
2013年度研究室卒論生の卒業式
2014年度研究室メンバー
2014年度研究室メンバー
2014年度卒論生の最終日報告会
2014年度卒論生の最終日報告会
2015年度研究室メンバー
2015年度研究室メンバー
2016年度卒論生の実験の様子
2016年度卒論生の実験の様子
2016年度研究室生の明治坂戸工場見学
2016年度研究室生の明治坂戸工場見学
2017年度卒論生チームによるソフトボール大会初優勝
2017年度卒論生チームによるソフトボール大会初優勝
2018年度卒業研究発表会
2018年度卒業研究発表会
NHKまちかど情報室による2019年度研究室生の撮影取材
NHKまちかど情報室による2019年度研究室生の撮影取材
2019年度研究室生によるカカオの植え付け
2019年度研究室生によるカカオの植え付け

先生ってこんな人研究の詳細や、研究に対する熱い思いなどを更に詳しくご紹介します

古賀仁一郎教授の紹介

先生方が日々取り組んでいる研究について、どのようなきっかけで取り組むようになったのか、その研究はどのような形で社会に生かされていくのかなど、研究室紹介だけでは紹介しきれない内容や、普段なかなか知ることのできない先生方の研究に対する熱い思いなどをご紹介します。

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