- 宇都宮キャンパス
理工学部 機械?精密システム工学科
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幅広い知識と新時代に対応する
応用力を身につけます
機械?精密システム工学科では、実学に根ざしたものづくりへの興味や意欲を高めるため、一人に1台ずつ使える最新の3D-CADソフトや、自動車整備実習場など、学びの環境を充実させています。徹底した少人数指導?分かりやすい授業により、幅広い基礎知識と新たな時代に対応する応用力を習得したエンジニアを育成します。
自動車工学特別講義を開講
本学科では、2019年度より3年生を対象とした自動車工学特別講義を開講しました。この授業は、地元である宇都宮キャンパスに立地するホンダの四輪自動車の研究開発部門である株式会社本田技術研究所の第一線の開発技術者を講師として招いて行われる特別講義です。自動車を取り巻く課題や駆動部であるエンジン?自動変速機構、さらにシャーシ技術による操舵安定性、空力特性や発生する熱のマネジメント、デザインやレースなど、すべての自動車開発技術について毎回異なった講師を招き講演を行っています。
さくらサイエンスプラン企画に参加しました
アジアの学生を日本に招へいし、未来を担うアジア地域と日本の青少年が科学技術の分野で交流を深めることを目的とした「日本?アジア青少年サイエンス交流事業(さくらサイエンスプラン)」の一環で、本学宇都宮キャンパスにインドネシアから学生2名、ベトナムから学生2名?教員1名が来校しました。理工学部森研究室の学生とともにキャンパス、施設?設備見学、研究体験を通して交流を深めました。来校したベトナムの学生は本学理工学研究科への進学を希望するなど今後の成果につながりました。
機械?精密システム工学科の研究活動
本学科では、卒業研究などを通して得られた研究成果を、国内外の学会?学術論文などに積極的に発表しています。その中には、在学生や大学院生が発表者?共著者となっているものも数多くあります。
4年次に実施される卒業研究では、研究計画の立案、文献調査、研究、結果の分析などを通して、課題発見能力、問題解決能力、コミュニケーション能力を養い、多様化する産業界の要請に対応する技術者、研究者の育成をめざします。今後は自動車関連分野、受動歩行ロボット、製鉄用高炉などの実践的で専門性の高い研究が行われる予定です。
広い視野と教養を身につけるために人文科学、社会科学系科目、外国語科目などを学びながら、同時に工学的な基礎となる数理的基礎、機械工学の基礎理論、機械の設計、製作、制御に関する科目を学びます。卒業研究では技術者に必要な課題発見能力、問題解決能力、コミュニケーション能力、文章表現力などを身につけていきます。
材料力学
電化製品や自動車といった身の回りの物から超高層ビルやジャンボジェット機に至るまで、あらゆる機器や構造物は、その機能を安全かつ合理的に果たすような設計に基づいて作られています。材料力学は機器や構造物の部材内部に生じる力や変形等の力学的性質に関する学問であり、「ものづくり」において部材の形や寸法を決定するために必要となる重要な工学分野の一つです。この授業では、単純な形の部材が外から力を受けた場合の応力(物体内部に生じる面積あたりの力)や変形量の求め方について学習することを通じて、強度設計を行うための基礎を身につけます。
熱力学
熱力学はエネルギー変換や移動を取り扱うもので、自然現象の一側面を解明する基礎科学の一つです。本講義の目標は、基礎的な原理と法則、および各熱機関の効率やサイクルを理解することです。そこで本講義では、学生の興味を引くよう、実際の社会で使われている熱機関のどこに、どのように熱力学の原理や法則が利用されているか、を具体的な例をあげて紹介します。さらにその熱機関と人間の生命維持のしくみとを比較しながら講義を進め、演習やレポートを作成することで、熱力学への理解を深めていきます。
流体力学
飛行機や自動車などのまわりの流れや、それらがどのような抵抗を受けるかを把握することは、省エネルギーの観点から重要な問題となっています。このように流れを取り扱う学問が「流体力学」であり、極めて身近な存在です。またパイプの中の流れや物体まわりの流れなどを扱い、ポンプの設計等で工業的にも最も応用範囲が広い学問です。最近では、発展が著しいCFD(Computational Fluid Dynamics 数値流体力学)による流体運動に関する方程式をコンピュータで解く手法や、風洞実験などによる流れの可視化も重要な存在となっています。
機械力学
振動現象は、機械?構造物が繰り返し負荷を受けての破壊や、自動車の乗り心地が悪くなるなどの原因になるので、機械?構造物を設計改良するためには重要な基礎工学です。一般に振動問題に関する専門教育では、質点?ばね?ダンパからなる1自由度のモデルからはじめて多自由度と連続体の振動系について、自由振動、固有振動数、強制振動、共振、自励振動などを学習します。本講義では、力学の基礎と運動方程式、固有振動数の計算法、減衰自由振動、臨界減衰、正弦波などの加振による強制振動、共振曲線、振幅倍率と位相、振動伝達率、加振入力がなくても振幅の大きくなる自励振動とその安定判別方法などを学習します。
機械工学実験
機械工学実験1および2では、材料力学、流体力学、熱力学、機械力学の4力学と機械要素、水素燃料電池に関する実験を行います。履修の目的は以下のとおりです。
授業は小グループに分かれて、6つの実験テーマを輪番で実施します。(機械工学実験1および2の1年間を通してとなります。)
機械工作実習
機械工作実習(Practical Study of Precision Machining)では、金属加工の実際を体験します。将来、機械を設計し、製造する場合に、この体験は必要不可欠です。さまざまな長さの測定法を体験して測定精度を理解する精度検査法、金属加工で代表的な旋盤を用いた旋削加工、フライス盤を用いたフライス加工法、特殊な金属加工法の一つである形彫り放電加工、鋼を熱処理することで材料の機械的強度を改善させる熱処理法など、実際の体験を通して習得します。また、コンピュータ制御の加工機械を使う、NC(Numerical Control)による自動加工の方法も体験します。
機械製図法
図面は技術者の言葉であり、品物を作るためにはなくてはならないものです。また、機械技術者にとって図面を読み書き出来る能力は必要不可欠なものです。本講義では、JISの機械製図法(投影法と三角法製図法、線?尺度?文字、正面図と投影図、断面図示法、寸法記入法、面の肌の表示、寸法公差およびはめあい、幾何公差など)に従った図面作製法について講義し、その直後に作図演習を行います。
いくらコンピュータが発達しても、読み書きの基本はまず手で書いて習得することです。図面はドラフターと呼ばれる製図台を用いて作成します。本講義の後半(第8~15回)では、歯車伝達装置のスケッチおよび製図を通して機械製図法の理解を深めるとともに、機械要素の基礎知識を身につけます。
設計製図Ⅰ
「ものづくり」のためには、その基礎となる設計製図の知識とスキルがとても大切です。本講義では、設計の考え方を学ぶ機械設計の基礎、ものづくりの根本である材料の強度と剛性、機械の精度を学びます。そして機械要素の基本として、ねじ、軸および軸継ぎ手、軸受、歯車、ばねの5つの要素部品を取上げ、それらの設計手法とその製図法を学びます。その結果として設計製図の基礎とスキルを身につけることを目標としているため、実際に、5要素部品の設計?製図の演習課題を与え、設計的な強度?剛性を計算し、図面を引く演習とレポートを主体とした講義を行います。
設計製図Ⅱ
材料力学、熱力学、流体力学、機械力学の4力学と設計工学、機構学、材料工学、加工学など機械工学の基礎の知識を応用して、いくつかの部品からなる機械を設計する方法を学習します。手巻きウインチを課題として、まず機械に要求される機能や能力から、機械の機構と部品の構成を理解したうえで、設計の手順に従って計算を進めていきます。各部品に作用する荷重を明らかにして、歯車、ねじ、軸受などそれぞれの機械要素に対応した強度計算の方法を理解し計算します。同時に材料の選び方、設計のために必要な規格や表などの利用方法を習得していきます。計算結果によっては、再計算をすることにより設計値の最適解を求めます。最後に、設計計算結果を製作図として表現する手法の理解を深めます。
自動車整備演習
自動車という具体的なもので実学を実践し、専門性を高めるための授業です。電子制御関係の故障原因探究演習が可能なエンジン運転台(エンジンベンチ)を教材にして、エンジンを分解し、各部品の機能と構造を確認します。そして整備と再組立てを行います。講義や実習を通して、自動車用電子制御ガソリンエンジンに関する基本機能や目的機能を理解することで、内燃機関に関する基本的な知識を確実に理解して、基本力および論理的な思考を身につけます。そして、エンジンを分解し整備後に再組立てして、エンジン不調が起きないようにすることで、信頼性やものづくりに対する考えを理解します。なお授業における分解?組立て?整備は、一級自動車整備士や二級自動車整備士の資格を持つ教員が行います。
GPA(Grade Point Average)制度の導入の趣旨は、1. 学部として統一した基準を作成すること、2. 公平性に優れた基準であること、3. 国際的に通用する基準であることとし、学修の成果をGPAという客観的な数値で評価するものです。またこの制度は、外国の多くの大学が採用している成績評価制度に概ね準拠しており、海外留学、海外の大学院進学、外資系企業への就職などの際に、学力を証明する指標として国際化に対応した成績評価制度となっています。
区分 | 評価 | GPA | 成績評価基準 | 評価内容 |
---|---|---|---|---|
合格 | S | 4.0 | 90点以上 | 非常に優れた成績を表します |
A | 3.0 | 80点台 | 優れた成績を表します | |
B | 2.0 | 70点台 | 妥当と認められる成績を表します | |
C | 1.0 | 60点台 | 合格と認められる最低限の成績を表します | |
不合格 | D | 0.0 | 60点未満 不合格 | 合格と認められる最低限の成績に達していないことを表します |
欠席 | 0.0 | 試験を欠席 | 当該授業の試験の未受験やレポート等の未提出を表します | |
無資格 | 0.0 | 受験資格なし | 当該授業の出席日数不足により受験資格がない、または履修放棄したことを表します |
授業の方法 | 授業時間 | 準備学習(予習、復習) |
---|---|---|
講義?演習 | 15時間~30時間 | 30時間~15時間 |
実験?実習?実技 | 30時間~45時間 | 15時間 |
単位の取得
単位は、各学期のはじめに履修登録を行い、授業に出席し、必要な準備学習を行い試験に合格すれば取得できます。大学の単位認定は、授業時間数が基礎となります。原則として授業時間数の2/3以上出席しなければ、試験を受ける資格がありません。授業への出席を第一に心がけてください。
卒業するためには、4年以上在学し124単位以上修得しなければなりません。また、卒業に必要な最低単位数の内訳は、学科?入学年度で異なります。
科目区分 | 単位数 | |||||
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必修科目 | 総合基礎科目 | 8 | ||||
専門基礎科目 | 34 | |||||
選択必修 | 専門基礎科目 専門科目 | 36 | 6※ | |||
選択科目 | 総合基礎科目 | 46 | 8以上 | |||
専門基礎科目 専門科目 | 22以上 | |||||
卒業に必要な単位数 | 124 |
選択科目は、「総合基礎科目」「専門基礎科目?専門科目」とも上表に示した単位数以上を修得し、その合計が各学科の指定した単位数を超えるようにすること。
総合基礎科目の選択科目は最大24単位までが卒業に有効な単位数となります。