バイオサイエンスの研究対象は多岐にわたり、興味や目的に応じてさまざまな分野にチャレンジすることができます。植物の生理機能やバイオ燃料生産について学ぶ「植物分野」、生命現象の基礎や微生物の活用について学ぶ「微生物分野」をはじめとして、「動物分野」では発達障害の神経病態の解明、「食品分野」では食品の機能性の研究、「生命工学分野」では最新の知見や技術を理科教育に還元する研究、「化学系分野」では物質の創製と再生に取り組む研究など、幅広く学べるカリキュラムを用意し、最先端の生命科学に触れながら、社会のニーズに応える能力を養成します。
植物の持つ不思議な力を研究
最先端の質量分析計を用いた植物ホルモンの機器分析、蛍光顕微鏡?共焦点レーザー顕微鏡等からなるバイオイメージングシステム、レーザーマイクロダイセクション装置、植物実験温室などを活用し、植物ホルモンの化学と生理機能、トマトなどの接ぎ木接着や切断された植物組織の修復に関する研究、植物における病害抵抗性誘導機構、微細藻類を用いたバイオ燃料生産の基礎研究などを行っています。本学科の特徴を生かしたこれらの研究は、国内外での学会や国際学術雑誌で発表されており、海外の研究機関からも注目を集めるなど高い評価を得ています。
食品に秘められた機能性を研究
生体分子化学研究室では、高カカオチョコレートに多く含まれているカカオプロテイン(カカオ豆に含まれるタンパク質)の腸内環境改善、便通改善などの健康効果、さらには植物に幅広く含まれているスフィンゴ脂質(グルコシルセラミドやセラミドなど)のがん予防効果や肌保湿向上作用についての研究を行っています。また、食品科学研究室では最先端の質量分析イメージングを用いた種々の機能性成分の食品分布(右図Aはエダマメの機能性成分を可視化)と摂取後の体内動態の解明、並びにその疾病予防作用の英皇娱乐_英皇娱乐平台¥国际官网に取り組んでいます。これらの研究で得られた新知見をもとに、学内はもちろん、他大学、公的研究機関、自治体や大手企業(㈱明治:生体分子化学研究室)の研究機関とも連携して、高品質?高付加価値な食品や農産物の開発をめざしています。
発達障害の神経病態の解明
生命の誕生はベールに包まれた神秘です。一つの細胞からどのように体を作るのでしょうか?なぜオスとメスがいるのでしょうか?動物系分野では、ショウジョウバエやウナギを使って、「発生」という神秘のベールを解き明かそうとしています。高等動物では、体とともに心が生まれます。心は「個性」を生み出します。「個性」は体のどこにあるのでしょうか?それは「脳」です。脳も細胞でできています。脳の細胞がどのように「個性」を生み出すのでしょうか?動物系分野では、最新の遺伝子改変マウスを駆使し、個性を生み出す脳のメカニズムの解明に取り組んでいます。
微生物の不思議を解明し、微生物の力を社会に役立てる
酵母を使った染色体維持機構の分子レベルでの解明、放線菌など微生物由来の生理活性物質の探索、細菌ウイルスを用いた感染防御法の開発など生命現象の基本を探求したり微生物を社会に役立てる研究をしています。
最新の知見や技術を理科教育に還元する研究
新しい知見や進化した技術を身近な題材に適用して展開し、新たな教材?実験の開発や環境保全に活用しようとする研究に取り組んでいます。
物質の創製と再生、生理活性の解明に取り組む研究
化学分野では、使用済みのプラスチックを新たな生産原料に変換するケミカルリサイクリングの研究、植物ホルモンなどの有機天然化合物の化学合成や構造決定、微生物や植物由来の生理活性物質による生命現象の解明を主として行っています。